睾丸(精巣)

睾丸は重35~20グラムの卵形、または楕円形(だえんけい)の弾力性(だんりよくせい)のある球で、
陰嚢の中に左右一個ずつ入っています。女性の卵巣に相当します。

 新生児期の睾丸の大きさが大豆大だとすると、思春期を過ぎた睾丸はその数倍にも大きく成長します。
そして成熟した睾丸は精子の製造工場として働きます。

左右の睾丸は数百の睾丸小葉に分かれています。小葉はそれぞれが多数の精細管で構成されています。
精細管は精子を産出する細長い管で、ウドン玉のようにコイル状や渦巻き状になって睾丸ふ葉の中に詰まっています。

 精細管は、その内腔をセルトリ細胞として知られる円柱上皮でおおわれています。このセルトリ細胞の栄養と支持のもとに、
無数の未熟な精母細胞は成熟した精子へと成長していきます。そのためには約72時間が必要とされます。

 これらの精細管は集合して睾丸網を形成し、それが5~7本の輸出管につながり、それを通して副睾丸と連絡をしています。
 精細管と精細管との細いすき聞には、レイディツヒ細胞が固まって存在し、この細胞はもっぱら男性ホルモンであるテストステロンを分泌します。

 このテストステロンは、下垂体から分泌される黄体化ホルモン(LH)に大きく影響されます。
黄体化ホルモンの刺激で増量したテストステロンは、第一次性徴の形成に必要とされます。
すなわちこのホルモンが多く出てくるときを境にして、性器は男性化するのです。

 また、テストステロンは第二次性徴の発達にも大きな役割を演じます。
 睾丸は毎日数千万個の精子をつくり続けると同時に、男らしさを維持するために、男性ホルモンとしてテストステロンを分泌しているのです。