無痛分娩について

※当院は2025年10月より「東京都無痛分娩費用助成事業」の対象医療機関となる予定です。

無痛分娩について

当院では麻酔科医の監視の下、安全で確実な無痛分娩を行っております。
基本的には計画無痛分娩を行っておりますが、計画分娩のタイミングは妊娠37週以降の主に子宮口の状態を診察して時期を判断していきます。また初産婦の方は自然の陣痛開始を優先します。
自然に分娩が始まった場合には、休日・夜間以外は極力無痛分娩の対応をしていきます。
ご希望の方は、妊娠30週までにお申し出ください。

無痛分娩の方法

現在、最も確実に痛みを緩和させる方法として確立されているのは脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔と言われる方法です。当院では硬膜外麻酔を用いて痛みを緩和させる方法をとっています。
脊椎の中の太い神経は、硬膜という袋に包まれています。その袋のすぐ外側が硬膜外腔と言われるスペースです。硬膜外麻酔とは、脊髄の硬膜外腔に細いカテーテルチューブを留置して、そこから局所麻酔薬などを投与する方法で、腹部・胸部手術の術後の痛みを少なくするためにも使われている手法です。麻酔科医であれば日常的に施行している手技・手法です。
無痛分娩と言っても、効果は個人差があり、完全に痛みをとってしまうと分娩が進行しないこともあり、ある程度の痛みは感じることが多いです。しかし、我慢できる程度の痛み、軽い痛みにコントロールできるように管理しています。そのため和痛分娩と呼ぶこともあります。

無痛分娩の長所

無痛分娩の長所はまず何より、痛みが少ないことです。痛みがコントロールされているため、分娩中の体力消耗が少なく、分娩後の体力回復も早いと言われています。以前は陣痛の痛みが母性を育てる、といった意見もありましたが、世界的な無痛分娩の普及によりこの考えは否定されてきており、むしろ産後の体力回復が良いため育児・母児愛着にも好影響があることが示されています。
吸引分娩・鉗子分娩が必要になったときにも、無痛分娩を施行していないとかなりの痛みを伴います。無痛分娩中であれば、こうした器具を挿入するときの痛みもほとんどなく、また傷の縫合時もほとんど苦痛を感じません。
また痛みをコントロールすること・交感神経を抑制することで心拍数が増えすぎたり、血圧が上昇しすぎたりすることを防ぐことができます。不整脈や脳の疾患がある場合は、心拍数や血圧をコントロールした方が安全であり、無痛分娩が推奨されます。

無痛分娩の短所

無痛分娩も医療行為である以上、万が一ですが合併症が生じることがあります。硬膜外麻酔の最も重篤な合併症として、局所麻酔薬中毒・全脊椎麻酔・アナフィラキシーショックといったものがあげられます。どれも万が一ですが、きちんと対応することで適切に救命することができます。万が一の時の対応を熟知している麻酔科医が無痛分娩施行中には常駐することで緊急時に対応できる体制を整えています。
また吸引分娩・鉗子分娩と行った補助経膣分娩の手技を必要とすることが多くなることは統計学的に示されています。(帝王切開率は上がりません。)
こういった分娩に対する介入の可能性が上がるのは確かですが、どれも無痛分娩を選択しなくても、必要に応じて施行されるごく一般的な産科的医療介入・手技です。

無痛分娩に関する設備及び医療機器の配備状況

麻酔器あり
除細動器(またはAED)あり
母体用生体モニターあり
蘇生用設備・機器あり
緊急対応用薬剤あり
  • 急変時、緊急時には適切な対応・記録をし、地域の高次医療施設に搬送します。
  • 当院は「日本産婦人科医会偶発事例報告・妊婦妊産婦死亡報告事業」へ参画しております。
    対象事例が発生した場合、同医会に速やかに報告する体制をとっています。

2025年4月25日更新

勤務医師数

常勤非常勤合計
産婦人科医師数437
うち麻酔科標榜医を有する産婦人科医師数101
麻酔科医師数022
合計459

2025年4月25日更新

無痛分娩麻酔管理者・麻酔担当医の麻酔研修歴、講習会受講歴

白井 洋平

  • 2016.4~2024.12 東部地域病院にて麻酔科医師として勤務
  • 2025.4.22 JALAカテゴリーA講習
  • 2025.4.6 J-MELSベーシックコース

2025年4月25日更新

分娩取扱実績

集計対象期間2023.4.1~2024.3.312024.4.1~2025.3.31
全分娩取扱件数375件340件
無痛経膣分娩件数120件93件
帝王切開分娩件数95件107件

2025年4月25日更新

最後に最も大事なことは、『選択できること』だと考えています。わずかでも合併症のリスクがある無痛分娩をしたくない自由もあってよいのです。多くの方が痛みに耐えて無事分娩しています。
しかし、痛みに耐えがたい方には、無痛分娩という選択肢があることは是非、知っておいてほしいと思います。万が一の合併症はあり得ますが、微々たる確率の違いはあっても、無痛分娩をしなくても起こりえる合併症がほとんどです。そのときには全力で対応できる体制は整っています。無痛分娩施行中は産科麻酔を専門とする麻酔科医が常駐しています。安心して『選択』していただきたいと思います。

無痛分娩 +¥180,000
無痛分娩(初産婦) +¥240,000

※上記の無痛分娩費用のうち、最大10万円が都の助成対象になります。
 (分娩予定日が2025年10月1日以降の都内在住の方)

無痛分娩施設情報一覧・救急搬送先等について

※当院は無痛分娩取扱施設のための『無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言』に基づく自主点検表の項目を猶予項目以外全て満たしております。

2025年4月25日更新

無痛分娩に関する説明資料と同意書

◆ 無痛分娩に関する方法及び説明文書

◆ 無痛分娩の看護に関する説明文書

◆ 緊急時の体制・当院の無痛分娩管理と体制

◆ 偶発事例報告事業について

◆ JALA(無痛分娩関連学会・団体連絡協議会)の「無痛分娩取扱施設サイト『自施設の診療体制に関する情報公開』」

2025年4月25日更新

東峯婦人クリニックの危機対応シュミレーション実施歴

  • NCPRに基づいたシュミレーションの実施歴
    2025年3月9日
  • 危機対応シュミレーションの実施歴
    2025年4月6日

2025年4月25日更新